期末テストの結果が返されているところですね。
まだ全員の成績をまとめている途中ですが、その途中経過で正直な感想を言うと「中1が期待以上によくできた」と思います。
指導要領が変わり、学習内容が一気に難化したのに、例年の中1並みの点数を取ってきてくれた人が多いので、成績通知表が返されるのを楽しみに待てそうです。
特に小6の3学期から「中学準備講座」を受け、予習型で取り組んできた生徒の皆さんは概ね良い結果を得られたようです。
特に英語はほぼ毎年「塾生平均90点」をクリアしているので、今年も期待してよさそうです。
もちろん他の学年の生徒たちの中にも、入塾以来成績が上がり続けている人は多くいます。
そしてこれも正直に言うと、成績が上がらない生徒もいます。
ちなみに学習塾のチラシにありがちな「〇〇君、前回から50点アップ‼」などという文言は、上がったときだけを切り取って、下がったときには何も言わないだけなので、ご注意ください。
ずっと成績が上がり続ける生徒しかいなければ、その塾に通う誰もが上野丘に受かることを想像すれば、トリックがあるのは分かりますね。
さて、成績が上がるか、上がらないか、その違いを生む最も大事な部分は「何とかしてやろう」「もっと出来るようになろう」という気持ちの強さだと私は思います。
もちろん授業中に精神論だけでやっているわけではありませんよ。基本的な事はルールに則って指導しています。
それに加えてテクニックを指導され、それを実践していけるのは、基礎がしっかりしている生徒だけになります。
私は学生時代、いわゆる「裏技」ばかりを駆使して上位陣と戦う武器としていたのですが、裏技を使いこなすにあたっては、まずは基本問題をしっかり解けることが前提です。
そんな感じで5教科の学習については特に好き嫌いが無かったから今この仕事をしている私ですが、学生時代に一番苦手としていた教科は「美術」です。
ですから成績が上がらない生徒に教えるとき、私は「自分が美術をどう教われば、その場で出来るだけでなく、家に帰って一人で更にやってやろうと思うのか」という、メンタルの部分を想像しています。
自分が美術の授業を受けていることを想像したら、どんな指導が心に響き、どんな言葉でやる気をなくすかイメージしやすくなります。
「絵心があれば、ホワイトボードや紙にササっとイラストの一つでも描いて、少年少女の心を掴めるのに」と、口では言いながら、まず絵を描かない自分。
やらない事を放っておいても、もちろんできるようにはなりません。
子どもの頃から苦手なことが、大人になって自然と解決することはありません。
私の絵が下手なのは〖描かないから〗という実にシンプルな理由です。
ではなぜ描かないのかというと、〖楽しくないから〗〖恥をかきたくないから〗です。
こうやって興味が無いからやらない、やらないからできない、というループの中で、できないのは当たり前でしょう。
学習塾の講師である以上「受験のために必要だから」という理由で各教科の授業を行ってもいますが、本音の部分ではどの教科についてもまずは「楽しんで、ごく自然に生活の中で使いこなせるように」なってほしいと思っています。
大人も含め、世の中の大半の人が「大人になって三平方とか使わんやろ」「化学反応式使ってる大人なんかほぼおらんやろ」と思いながら、その時の勉強をしていました。
実際に使わないまま人生を終える人が多いのですが、思わぬことでその知識が必要とされる場面にでくわす可能性もゼロではありません。
いざというときにいろんな知識や技術を持っていれば、どこに行っても誰かの役に立つチャンスは増えます。
学生時代というのは、そのチャンスを増やすためにある時間だと私は思います。
私たちが生徒の皆さんと過ごせる時間は、皆さんの生活時間の中のごくわずかです。
だからこそ、私たちが見ていないところでも、楽しんで計算をしたり、町の看板に書かれた英語の意味を考えたりしてくれるよう、まずは世の中のあらゆることに興味を向けてほしいと願っています。
Comments